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グローバル化の進展に伴い、我が国の在留外国人数は約300万人に上り、外国人児童は増加・多様化し、日本語指導が必要な日本国籍児童も10年間で倍以上に増えています。
我が国で学ぶ児童が等しく学習機会を得るためには、「帰国児童・外国人児童」への日本語支援拡充が不可欠であると指摘されています。
全9教科の中でも、帰国・外国人児童にとって特に教室参加に困難を伴うのが「国語」であるとされ、語彙力の面でどうしても不足が見られる帰国・外国人児童は教室参加に支障を来していると言われています。
とりわけ、授業の根幹を成す国語教科書が日本語母語話者を前提としているため、理解できない帰国・外国人児童にはJSL(Japanese as a Second Language)教育として取り出し指導を行わざるを得ない状況です。
しかし、JSL教育を行えたとしても、これまでの研究では第一学年から第六学年までの国語教科書掲載語彙が網羅的に把握されていないため、実際の国語科の教育内容と連動した日本語支援は困難であり、帰国外国人児童がいつまでも正規の授業に戻ることができないという深刻な問題が生じています。
国語教科書に掲載された語彙は、言い換えれば国語の習得に必須となる語彙でもあり、全ての国語検定教科書の掲載語を把握するための調査と考察が喫緊の課題となっていると言えます。
本研究プロジェクトは、国語教科書掲載語彙の特徴を下記の手順で明らかにし、教師や教材作成者の方々が自由に活用できる教育資源としてデータベースを構築・公開することで、我が国で学ぶ全ての児童が等しく学習機会を得られる共生型小学校国語科教育のための日本語支援拡充に寄与することを目的としています。
現段階では、小学校第一学年から第六学年用の国語教科書56冊(光村図書・三省堂・東京書籍・学校図書・教育出版の5社)を対象としています。
名詞/動詞/形容詞/形容動詞/副詞/代名詞/接続詞/感動詞/連体詞に分類し、これらに該当しないものは連語/慣用句に分けて集計しています(※助詞/助動詞は除外)。
多角的な計量分析を通して未解明となっている国語教科書掲載語彙の特色と全体像を分析しています。また、得られたデータと分析結果を本webサイト『COSMOS』に掲載しています。
JSL児童のための教育資源として、
本研究過程における語彙データは公開しております。